小さな水滴 小さな炎

最近、身体から零れ落ちる言葉を一度水に浮かべて、掬い上げて濡れたまま並べる作業をしている。それは理路整然としてなくて、迷いながら戸惑いながら並べる順番を間違わないように、慎重にパズルのピースを埋めていく。零れ落ちた瞬間から、鮮度を失う言葉たち。呼吸をし、水を飲み、土を食らい、また戻っていく。満ちた潮が引いていく。月が地球の周りをまわる。狂おしいほど人を好きになって、自分を見失う。咲き終えた椿の花が重力に逆らわずに落下する。自分を偽って、嘘をついて、落ち込んだ日も、夕陽が美しかった。なぜ生きる?と無言の問いを自分でぶつけた日も、星座は配列を崩すことなく、空を回っていた。小さな炎にも全てを焼き尽くす力が秘められている。錆びついて弾かれぬまま放置されているピアノも、主の帰りを待っている。

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