夜明け前、南の空のさそり座方角から、うっすらと天の川が見えた。しばらく見とれていた。きっとあなたのこともこんな風に、見えそうで見えないものを見るように見ているかもしれない。でも、同じようにとても幸せな気持ちを抱いた。片思いの恋が一番豊かで幸せなのかもしれない。相手に何かしてほしいという感情を抱いた瞬間、心に痛みを覚えるようになる。もっともっとって。真っ暗な空に星が光って、しかも天の川まで見える世界は、なんて素晴らしいのだ。好きな人ができることはなんて素敵なことなのだ。胸がじんとして、鼻の奥がツンとした
