誰にも内緒で

誰にも内緒で桜に会いに行った
会うのは一年ぶり
この季節に約束していたけれど
待ち遠しくてたまらなかった
しばらく見ないうちにキレイになったねと言うと
桜色に頬を染めて笑顔になった
膝枕してもらうように樹の下で
陽光に輝き、雨に濡れる花を見つめた
どのくらい一緒にいられるのと尋ねると
少し俯いて花びらが散った
散っても会いに来るからと言うと
寂しそうにまた散った
散っている桜の花をそばでずっと見つめていた
私も同じように散っているような気がした
記憶は永遠のようで一瞬のようで
そこに時の流れはなかった
季節は容赦なく移ろっていく
雨風もまた容赦ない
二人を引き裂くように別れさせていく
そして、私はまた誰にも内緒で桜に会いに行く

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