フレンズの「夜にダンス」を聴きながら、湯を沸かしている。キッチンには私しかいない。私は踊れないので、踊ったつもりになって、歌を詠んでいる。そこにはいつも「君」が登場しているが、どこの誰だかわからない。妄想恋人だという噂もある。そんなことを考えていると、湯が沸いた。カップ焼きそばは、腹におさめるために作るのではない。そこに「君」がいて、共に食べているという共有を味わいたくて、食べているに過ぎないのだ。カップ焼きそばのキャベツはいらないと思っていても、文句は言わない。この世に下らないものなんてないのだ。湯切りをするために、反対側のシールを剥ぐ。この発明は「ハズキルーペ大好き」という殺し文句に似ていて、偉大な発明である。駅前のバス停で一度だけ、女子高生に「ハズキルーペ大好き」って言ってみてくださいと頼まれたことがあった。私は苦虫をつぶした顔で、怒ったように言って、がっかりさせてしまった。三分待っている間に、濃いめに入れたコーヒーを飲む。今宵は欠けた月が空に架かっている。こういうくだらないひと時がご馳走だ。

くぅさん☆
こんにちは!
いいところついてるでしょ(笑)
楽しく読んで頂けて良かった~☆
私も楽しみながら勢いで書いてしまいました。
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初夏さんこんにちは(*’-‘*)
面白い!面白いです!
いつもの初夏さんの文章のイメージとは違う印象です。
ハズキルーペの下りが笑えちゃって。
女子高生に言われて、……言ったんだ!と。
短い間にギュッとつまった面白さは流石です(*’▽’*)
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おもしろかったです!
笑ってしまいました!
軽妙な リズム感で 流れるような 面白さの連続でした!
どこの誰だかわからない「君」いいですね〜✨✨✨
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つばきさん☆
こんにちは!
私のいつもの文章とは違ってましたか?(笑)
少し誇張させすぎちゃったかな~
でも、面白いと感じてもらえて良かった。
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