名もなき存在

この世の中が名もなき人たちの美しく、寂しく、悲しいエピソードの一つひとつの積み重ねで成り立っている。さめざめ泣くこともせず、懸命に生きてきた人たちの物語は、暗闇の中灯りを点すロウソクのようにはかなく揺れては繋ぎ、揺れては繋ぎしてきた大事なもの。例え、語られることなく、残ることなくても、そこに存在している。季節は巡り、月日は過ぎ去り、人は生きて死んでいく。錦秋の中竜胆は咲き、揚羽は柑橘の葉に卵を産み付け、人は長い影を引きづり家路を急ぐ。何もない。何も残らなくても、今日のこのひと時を大切にしたい。そして数百年後、違う時代に生きる人たちは、何も残らなかった数百年前の今日この時を思い巡らし、ふと名もなき存在を考えることもあるだろう。 

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2件のコメント

  1. つばきさん☆自分の中に残せること☆とても素敵な響きですね。幸せですね♪それが一番✨✨共感しました。八月も早そうですね。あっという間に終わりそう。記憶に残る一ヵ月にしていきましょうね♪私もつばきさんと知り合い長く交流させて頂いていること財産です🥂

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  2. 初夏さんこんにちは。
    いいですね、静かな時間の中に、ろうそくの明かりと、人々が長い影を引き摺って歩く音と、蝶が卵を産み付けてから羽ばたく音。
    おそらく私の人生は、人々の軌跡の1つにもならないと思うけれど、私の中には『確かに生きていた』事実が残って、こうして初夏さんとやりとりをした思い出も残る。
    誰かの中にのこることよりも私は、もしかしたら自分の中に残せるものが大切かもしれないな、と思いましたよ!

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