空の欠片

空の欠片が落ちてきた夜に、誰かに手を差し伸べてほしくて、そっと背伸びをした。欠片はところどころ金色に光っていて、群青色の闇は深く、私の心を映していた。眠れない夜は長い。そして、繰り返してきた過ちを思い返しては途方に暮れてしまう。ろくでなしなので、普通に考えるとろくでもないことしか浮かばない。だからといって、特別なことをしでかすと、軽はずみで浮ついた角の立つようなことしかできない。そうなると開き直って、自分の心に忠実でありたいと願う。空の欠片をズボンのポケットに入れておくと、蛍のように光っていた。それは私の呼吸と呼応していて、何というわけでもなく幸せになってほしい人たちの顔が浮かんだ。結局のところ、私はできることを精一杯やっていくしかないのだ。力や愛の及ばない人たちや出来事に心血を注いでも、自己満足であって、かえって傷つけたり、迷惑になってしまうだけ。自由に言葉と向き合えないなら、愛する人とも向き合えないだろう。それは私ではない。自由に言葉と向き合うことを選ぶなら、私は人と向き合ったり愛したりする資格はないのかもしれない。故に地平線に月がそっと沈むように、私はフェイドアウトしていく。そんなことばかり考えてしまう夜だった。

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