深夜に、”眠れない”というあなたからのメッセージが入った。私はそのメッセージが届くことを知っていたかのように、直前に目覚め、そっとメッセージを返送し、送信ボタンを押す。メッセージの着信音は、あなたを濡らす温かな雨音。足の裏をマッサージするように、そっと送信ボタンを押して、雨で包み込んで、眠気を誘う。メッセージの内容は目覚めてから見ればいい。詩のような、恋文のような、呪文のような言葉の雨を降らす。それは心地よいリズムで、それは温かな指でそっと力をこめて、遠い距離を越えて、あなたのもとへ届ける。いつの間にか空は白んで、明けるまで続く。私はあなたの寝息を聞き遂げてから、自分の眠りに落ちていく。
