二十歳

若さゆえの淋しさ。あの頃、とても淋しかった。誰からも愛されていないような気がした。誰かに愛してほしかった。何でも我儘を聞いてくれる人がいてほしかった。もう子どもの頃のような無邪気さなど失くしていた。怪物のような恐ろしいことをたくさん考えていた。それでもいい、それでもあなたが好き、と言ってほしかった。こころとこころの慰め合いなど、戯言だと思っていた。身体と身体での慰め合いを求めていた。自分の周りの人たちは、全てを持っていて、自分は何にも持っていないように感じていた。傲慢かもしれないけれど、自分にしか愛されない人がいてほしかった。そして、自分の愛で満たされてほしかった。そして、自分のことを全力で愛してほしかった。世界は広いのだから、必ず一人はいるような気がした。しかし、そんな人は現れなかった。世界から見捨てられた大きな身体をした子どものような気がした。ひどく淋しかった。ぽつんと独りぼっちのような気がした。

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