シンと静まった空
不安と安らぎの狭間に
名前のついていない境界線
複雑に入り組む寄木細工
境界線をまたぎ
ここは、安らぎでもあり、不安でもある地点
足元に咲く白い花
名も知らぬ
花も私の名を知るまい
私が花の名を知ると
花も私の名を知りたがるかもしれない
花と風が互いの名を知っているように
未知なる風
詩が好きな人の
ウェーブのかかった髪の甘い匂い
道を下っていく
詩を見つけるために
だから翼なんていらない
鳥は飛ぶ
残照に照らされて
その姿を下から見つめる
迷うことに意味がある
世の中に逆らって迷い
見出した美
たゆまなく流れていく
気がつけばここにいた
さよならをしてきた訳ではない
未だに大人になりきれない
愚かな私
明日につながる道を歩いている