透明な器に真っ黒な花を活けるように、自分の心を閉ざしている。私の大人しくない感情を抑え込んでいる美意識と闇。炎の中では乾いた木が反り返って、大きな音を立てた。コンクリートで塗り固められた暴れ川の河川敷で、生き物の宿らない水の行方を見つめた。欠けた月がぶらさがっている夕空をこよなく愛することは、君を愛することに似ている。心臓の高鳴る音がする。左胸に手を当てると祈りが、右胸に手を当てると沈黙が訪れる。そっけない歩行者信号が点滅する。電信柱がすべて疑問符に見える。音符の読めないピアニストでもきっと素敵な音楽を作れるはず。淫らな気持ちで辞書をめくるときのワクワクとした気持ちを抱いて学んでいる。隠し味がないと料理もしまらないように、人生にも隠し味があった方がいい。なんて悪びれる風もなく、詩を締めくくる。
